社員が危篤になった場合、万一のことを考え、総務や秘書の担当者が事前に さまざまな準備をすることがほとんどです。 ここでは、どのような事項を準備したらよいかと概要を記しました。 これらについて心構えをしておけば、万一の場合でも慌てずに対処できるはずです。 流れに合わせて説明します。
葬儀社の選定
社葬を執り行う際には、葬儀社選びが重要なポイントになってきます。葬儀社によって、その得意分野はさまざまで、個人葬を得意とする会社、社葬など大型葬を得意とする会社、近年では火葬のみの葬儀や家族だけで見送る葬儀などを得意とする会社などもあります。ことに、大型葬には、個人葬にないノウハウが必要です。失敗しないために経験と実績のある葬儀社を選びましょう。
そのためにも、いざとなってから慌てて探すのではなく、平常時にコンタクトを取って、何社かリストアップしておくとよいでしょう。また、社葬を得意とする葬儀社の場合、前述した葬儀取り扱い規定の作成なども熟知しているので、参考資料の提供やアドバイスを受けることができるはずです。
危篤に際しての対応
もしものときはいつでも連絡が取れる体制を取っておきましょう。危篤の知らせが入った際に誰に知らせるべきかなども把握しておくべきです。病院の名、所在地、電話番号、アクセスなどを事前に調べておくと慌てずに済みます。その上で、密葬を行う場合は、外部に情報が漏れないように対処することが求められます。
なお、入院費を遺族に代わって支払うこともあるので準備が必要です。
臨終に際しての対応
葬儀社に連絡をして、故人の自宅あるいは寺院など適切な場所への遺体搬送を手配しましょう。葬儀社と前もって段取りを決めておくのも一つの方法です。
それと同時に、至急役員会を開催し、社葬の計画、運営方法を決定します。そこで、社葬を執り行うことになった場合、遺族への意思確認を行います。取締役会が同族で構成されている場合は、必要ない場合もありますが、そうでない場合、社葬のあとに荼毘(火葬)にする場合は仮通夜が終わるまでに、荼毘(火葬)を済ませてから社葬を行うのであれば密葬の翌日に、社葬の対外的な責任者である葬儀委員長と、実務面の責任者である葬儀実行委員長の二人で訪問します。もし、葬儀委員長が同席できない場合は、葬儀実行委員長がその理由を説明するようにしましょう。
訪問する際は、略礼服にします。打ち合わせは以下の通り。
- ■社葬実施の意思確認
- ■葬儀儀式(宗旨・宗派)の確認
- ■葬儀日程
- ■費用の負担の説明など
なお、個人的な葬儀に関しても、遺族の意向を尊重した上で出来る限りのお手伝いをしましょう。
連絡名簿の作成
いざというときに慌てずに済むように、会長、社長、役員別に事前に名簿を整理しておくことをおすすめします。この名簿の整理は、社葬だけでなく、日常的に役立つものなので、定期的に見直しておくと良いでしょう。
その上で社葬をすることが決定したら、まずは、来賓での参列者を決定します。来賓の参列者は来賓席数との兼ね合いがあるので、慎重に検討する必要があります。
その後、日程や場所が固まったら、社員に社内通知(図表6)を出すとともに営業部が販売先、購買部が仕入先、経理部が金融関係先、総務部が親族・故人の私的な関係者と区分けして各部ごとに社外訃報(図表7)を使って連絡します。先方と面識がある管理職の方が適任です。
なお、連絡先にも漏れがないように、勤続年数の長い年輩者名簿チェックしてもらうと効果的。故人の私的なつながりで会社ではわかりにくい先は、密葬弔問客リストなどをもとに遺族の方に相談することをおすすめします。
そのほかの準備
- ○執行場所の調査
- 社会的地位、予想会葬者数、駐車場、交通アクセス等を考慮して、どこの式場で社葬を行うか決めます。式場はできる限り数か所下見してから決めると良いでしょう。
- ○叙位叙勲の申請
- 叙位叙勲は関係諸団体経由で申請されるので、それに必要な資料の整理をしておきましょう。位記、勲記、勲章や賞状類は祭壇の側に飾ります。祭壇の飾り付けを統一するためにも早めに連絡を。
- ○訃報記事
- 必要があれば各新聞社に訃報を連絡します。伝えるべきは、死亡日時、年齢、病名、病院名、経歴、現住所、告別式の日時・場所、喪主名など。社葬の日時等が未定の場合は、その旨を伝えます。
- なお、新聞社から確認の電話が入る場合があるので、間違いのないように対応を。また、新聞社により記事にする時の基準があります。
- ○死亡広告
- 新聞の死亡広告(黒枠広告)は、枠取りの必要があるので、直接、連絡するよりも出入りの広告代理店を利用した方が便利。密葬をする場合は、通常、広告記事は出しませんが、密葬を終えてから社葬のご案内を広告するケースが増えています。
- ○そのほか
- 以下についても留意が必要です。祭壇用ご遺影写真原版、家紋、死亡診断書(火葬許可証、埋葬許可証)の受領、各課の担当配置計画、通夜・葬儀参列者予想名簿(VIP)、葬儀費用の概算見積書(葬儀費用、広告料、僧侶・式場料など)
ポイント
- 社葬は葬儀社選びが重要なポイント。社葬の実績のある所を事前に選んでおくとよい
- 事前の準備は内密に行うこと
- 個人的な葬儀に関しても、遺族の意向を尊重した上でできる限りのお手伝いをする
- 準備は、チェックリストなどを作って抜かりなく行うこと

