キリスト教では、人間の体は魂の閉ざされた器で、死後は開放され、永遠の命として昇天すると考えられています。そこで、葬儀は故人ではなく神に向かって捧げるものとされ、故人を神の手にゆだねる祈りと神を讃えること、遺族への慰めが中心となっています。
キリスト教には大きく分けて、伝統的な儀礼を継承している「カトリック(ローマ教会)」、9世紀から11世紀にかけてカトリック教会から分離独立し、東欧諸国を中心に信仰を集める「東方正教会」、16世紀にルターらが起こした宗教革命によって成立した「プロテスタント諸派」があります。
カトリックは長い歴史に培われた礼儀を重んじ、神を讃え許しを乞い、永遠の命を願う重厚なミサが中心になっています。葬儀も典礼憲章で正式に儀式が決まっています。特に最近では、各地方の伝統に適した葬儀を行うよう定められ、日本では通夜や火葬のときの祈り、焼香、献花などが取り入れられています。 東方正教会はギリシア正教ともいい、ロシアとギリシアの教会が中核を成しています。東ローマ帝国の国教という伝統を引いて教義や礼拝を重んじ、神秘的色合いを持ち、日本でも儀式は格調高く、キリスト教の古いしきたりを伝えています。
プロテスタントは神のことばや個人の信仰の尊厳を重視し、聖職者と信者の位階を除き、儀礼も聖餐と洗礼にまで簡素化されています。葬儀では聖書の中でふさわしい部分を朗読します。 葬儀を行う際には、宗派によって異なりますので、それぞれの教会の神父、牧師によくご相談下さい。